志布志市教育委員会教育長賞
違いを受け入れること   加治屋 ひかり
 私はこの場所を訪れるまで、こんなにも酷い生活を強いられ
てきた人たちの存在を知りもしませんでした。
 先日、校外学習で星塚敬愛園という所に行きました。ここは
ハンセン病の患者の療養所で、中にはいろいろな施設や病院が
ありました。納骨堂や石碑などを見学したり、ハンセン病につ
いての話を聞いたりしました。今では半年あれば治る病気であ
り、患者もいませんが、昔は根も葉もない噂をたてられ、酷い
差別や偏見を受けていたそうです。うつりもしないのに「伝染
病」だと言われ、無理矢理療養所に入れられて、病気が治って
も、そのまま亡くなったとしても家には帰れないままで、療養
所の納骨堂に入れられていました。らい予防法によって、亡く
なった赤ちゃんもたくさんいたそうです。この話の内容は、今
までこの事実を知らなかった私にとって、衝撃的でした。精神
的にも大きなダメージを受けました。しかし、このようなこと
が起きていたという現実を受けいれなければならないという思
いもありました。行くまでは何も知らずに、知ろうともしてい
ませんでしたが、訪れてみて、たくさんの事実を知り、気持ち
や感じ方を変えることができました。だから私は星塚敬愛園を
訪れてよかったと思います。
 今となっては過去のことですが、差別や偏見はいまだに残っ
ています。それは私たちの中にもたくさんあるでしょう。見た
目や噂などで判断し、差別し始めると、それがいじめに発展し、命を絶ってしまう人も少なくありません。差別や偏見は人の命
を奪う凶器にもなりかねません。でも少し考え方を変えるだけ
で見えてくる世界は変わり、いいところも見つかると私は思い
ます。
 これからは、自分と相手との違いを受け入れ、差別や偏見を
少しずつでいいので、なくしていけたらいいです。